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20話 複雑な感情と、異世界の小さな幸せ

ผู้เขียน: みみっく
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-05 06:00:32

 そらは、目の前にある淡い金髪の可愛らしい後ろ姿に目を向けた。エルのサラサラとした髪の毛が、湯気を含んでしっとりと濡れている。アリアの髪を洗い終え、次はエルの番だ。

「よし、次はエルの髪の毛を洗うね」

 彼はゆっくりと手を伸ばし、エルの髪に触れた。指先から伝わる感触は、想像していたよりもずっと柔らかく、つるりとしている。まるで上質な絹糸のようだ。

 シャンプーを手に取り、泡立てていく。ふわりと立ち上る甘い香りが、湯気に乗って彼の鼻腔をくすぐった。泡がエルの淡い金髪を包み込み、光を受けてきらきらと輝く。そらは、指の腹を使って優しく頭皮をマッサージするように洗っていく。エルの小さな頭が、彼の大きな手のひらにすっぽりと収まった。

 頭を洗われている間、エルは気持ちよさそうに目を閉じ、時折「んぅ……」と小さな声を漏らしている。その吐息が、そらの腕にかかり、熱い湯気と混じり合って彼の肌をじんわりと温めた。

「そらの手、気持ちいいー♪」

 エルは満足そうにそう呟いた。

 髪を洗い終え、湯船から桶で湯を汲み泡を丁寧に洗い流していく。温かいお湯が髪を通り、背中を伝っていく。その間も、エルはうっとりとした表情で目を閉じ、そらに身を任せていた。

 泡が全て流れると、エルの髪は再び元の輝きを取り戻した。淡い金色の髪が、濡れてさらに色濃く、美しく見える。そらは、髪の毛に残った水滴を優しく絞りながら、エルの背中に視線を落とした。細く、華奢な背中が湯気の中に浮かび上がっている。

「はい。終わったよ」

 そう声をかけると、エルはゆっくりと振り返った。その顔は、湯気と安堵でほんのりと赤く染まり、潤んだ瞳がそらを見つめている。次の瞬間、彼女はにっこりと微笑んだ。その愛らしい笑顔に、そらは思わず息をのんだ。

「そらくん、ありがとぉー♪ また、おねがーい!」

「はいはい……」

 そんな感じで、髪を洗い終えた後、そらたちはお風呂から出る。湯冷めしないよう、急いで体を拭いた。

 ──しかし。

 二人の少女が、そらをジト目で見つめていた。ブロッサムとステフだ。その視線には、明らかな疑惑と、そして呆れが混じっていた。

 その視線に、そらは少し戸惑いながらも、何も言わずにその場を離れる。彼には、言い訳をする言葉が見つからなかった。

「あ、ベッドがない!」

 そらは一瞬焦るが、すぐにアイテムボックスを開く。

(毎回思うけど、わざとじゃないんだよな……)

 以前のベッドは、サイズが足りずに収容されていた。彼は、自分のうっかり屋な面に軽くため息をつく。

 前のベッドを収納し、子供5人が寝れるサイズのベッドを魔法で作る。木材が組み合わさり、柔らかなマットレスが出現する。その作業は、一瞬にして完了した。

 ──よし! 一瞬で入れ替え完了。

 そらは周囲を見渡しながら、軽く息を吐く。

(ふぅ……気付かれないよね)

 しかし、アリアを除く女の子たちは、そらの行動をしっかり見ていた。その瞳は、諦めと、そして僅かな好奇心が混じっていた。彼女たちはもはや、そらの異常な能力に驚きはしない。ただ、それが彼の日常の一部であることを、静かに受け入れ始めていた。

(あぁ……また、何かやってる……)

 一方、アリアは気付かなかったわけではない。ただ、魔法に関心がなかったのだ。彼女にとって、何が普通で何が異常なのか──その境界線がまだ曖昧だった。彼女の心は、家族を失った悲しみと、新しい場所での不安、そしてそらへの純粋な信頼で満たされていた。

 ──夜。

 そらはベッドに横になり、アリアとエルに挟まれる形で寝ることになった。

 アリアは無邪気に抱きついてくる。その小さな体からは、温かい体温が伝わってくる。彼女の寝息は、まるで子猫のように静かだった。

 エルも同じようにそらに寄り添うが、そらはふと気付く。

 エルの寝返りで、ネグリジェ風のワンピースのパジャマの裾がはだけ、ひらひらとした白いレースの縁取りが見え隠れする。その下には、薄いピンク地に可愛らしいウサギの柄がプリントされたパンツが、ちらりと覗いた。

 そらの視線は思わずそこへ吸い寄せられそうになるが、理性で懸命に押しとどめる。しかし、その刹那、柔らかで温かな感触が背中にぴたりと触れる。エルの小さな胸が、そらの背中にぴったりと当たるのを感じ、彼はハッと息を飲んだ。

 まだ幼いものの、そこにある確かな柔らかさに、そらの心臓は不規則に鼓動を打つ。焦燥と、同じ歳なのだが子供を預かる身としての複雑な感情が混ざり合い、寝苦しさを感じつつも静かに目を閉じた。

 異世界での日々は、彼の想像をはるかに超える驚きと、そして小さな幸せに満ちていた。彼は、この少女たちとの生活が、前世での自身の失われた感情を少しずつ取り戻させていることに、まだ気づいていなかった。

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